「やっぱSEKIRO買おうかなぁ…」
「SEKIROやったけど他の人はどう思ったのかなぁ…」
そんなあなたの悩みに答えます。
はじめまして!ゲー吉です。会社でゲーム開発にたずさわるかたわら、家でもゲームをやり続けるといった、正にゲーム漬けの生活を送っています。
本ゲームレビューサイト『ゲー選相談所』では、好みの違いからくる「楽しい」のギャップを埋めるため、あなたとゲー吉のゲームの好みが似ているかをチェックできる“ゲー吉度診断”を設けています。ぜひご利用ください。
それでは『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE(以下SEKIRO)』をレビューします。
評価:★★★★★ 超おすすめの神ゲー
- “あこがれのあの刀の達人”気分をあじわいたい
- 難しいからってすぐに投げ出さない
超おすすめな理由
剣豪気分にひたれる
『SEKIRO』をやると、あなたも剣豪になれます。というのも、ボスを倒したときに感じるのが、「俺UMEEE!!」じゃなくて「俺は刀の達人!!」だからです。
『SEKIRO』は死にゲーです。死にゲーの特徴は、気を抜いたらあっという間にやられてしまうというプレッシャーの中、ゴールが近づくにつれて増していくドキドキを感じながら、全てがかみ合ってやっとクリアできたときに得られる解放感と達成感からくる非常に大きな快感です。
たとえば、一撃必殺の“忍殺”に向かうアクションである“弾き”の成功は、殺陣さながらの剣戟アクションと、刀を弾く音で彩られており、その小気味よさが忍殺を決めたときの快感をより強いものにしてくれます。
また、苦難の末に打ち取ったボスへのとどめの一撃は、アクション映画さながらのスタイリッシュな専用フィニッシュアクションと、セリフの掛け合いに彩られており、その気持ちよさが忍殺を決めたときの快感をより強いものにしてくれます。
だから、あなたも剣豪になれます!現代で剣豪になれる唯一の方法は『SEKIRO』をやることです。ぜひ体感してみてください。
アクションの数だけ強くなった実感がある
『SEKIRO』は「強くなった」と感じる回数が多いです。各アクションの美しい使い方を段階的にマスターできるからです。
『SEKIRO』には様々なタイプのボスがいます。敵の攻撃に合わせてタイミングよくガードする“弾き”ができないと倒すのが絶望的なボスがいたり、その‟弾き”が連続でできないとダメなボスがいたりと実に様々です。
中ボスはそれが顕著で、槍ボスは‟見切り”、爪ボスは“連続弾き”、刀ボスは‟居合弾き”といった具合に、特定のアクションだけができれば倒しやすいやつが多いです。
そこへ大ボスが満を持して登場します。大ボスは各道場でマスターしてきた全てを駆使しないと倒すことが難しい。総合的な強さが求められます。なので、倒したときに大きな成長を実感できるのです。
最初に全てを詰め込んでから戦うのと、中ボス道場があるのとでは、「強くなった」の感じ方が違います。似ているようで違う。だんだん武器が増えていく感じ。
バスケでいうと、試合にただ4回勝つより、試合ごとに
- 「パスが上手くできたから勝った」
- 「ドリブルが上手くできたから勝った」
- 「シュートが上手くできたから勝った」
- 「全てを駆使して勝った」
このほうが上手くなった実感が多くある。そういうことです。
以上より、『SEKIRO』は「強くなった」と実感する回数が多いといえます。
難易度を下げても負けた感がない
『SEKIRO』は難易度を下げても負けた感じがしません。育成による間接的な難易度調整だからです。
『SEKIRO』にはEASY・NORMAL・ HARDのような難易度調整がありません。その代わりスキルの習得や特殊武器の強化などの育成要素があります。当然、育成をしないほうがクリアが難しいです。だから、育成をすることは難易度を下げているのと同じといえます。
難易度をNORMALからEASYに下げることは、「私は敵に勝てないからって難易度を下げました」以外にとらえようがありません。なので、ゲームに負けた感じがします。
でも、育成を「難易度を下げた」と感じる人はいません。RPGでボスに勝てないときにレベル上げをしていて、いざレベルアップしたときに「やったー!ボスを倒す難易度下がったー!!」って人はいませんよね。このときの気持ちは「強くなった」です。
自分が強くなったのだ
このように、操作スキル無関係に成長を実感できることこそが、育成の、ひいてはそのシステムを有するという意味で使われることが多いRPGの優れているところなのです。
画面が明るく気が滅入らない
『SEKIRO』は、これまでの死にゲーと比べて画面が明るいマップが多いため、気が滅入りません。
『仁王』のときの願いが届きました。ただ、まだ半分は暗いマップがあります。次回は常に明るい死にゲーを待ってます。
不満点
道中の緊張と緩和が薄い
『SEKIRO』は『ダクソ』シリーズと比べて道中の緊張と緩和が薄いです。暗殺に緊張感がないからです。
『SEKIRO』の主人公の狼さんは忍です。なので、ボス戦以外の道中は“いかに暗殺をしてラクに進んでいくか”といった作りになっています。
暗殺の遂行中に潜入がバレることは、本来ならば失敗に等しいはずです。銃を持ったスナイパーならまだしも、ある程度接近しないと暗殺できない忍びにおいては、それこそ死に直結する事態でしょう。
なので、忍びによる本当の暗殺なら、忍び寄ってる時なんかはきっと心臓バクバクでしょうね。だからこそ、成功したときに大きな快感がある。また、ここでの緊張感が増すほど、より大きな快感が得られるというワケです。
つまり、忍びの暗殺の疑似体験として重要なのは、失敗したときにどれだけのリスクがあるかということになります。
でも、『SEKIRO』は暗殺失敗のリスクがほぼありません。だから、潜入がバレても「しまったぁああああ」と思わないのです。
リスクがほぼない理由は以下の通りです。
逃走すればリセット可能
もし潜入がバレても、逃走して視線を切ればその敵は狼さんのことを見失います。
このとき、敵は仲間を呼びにいったり安全な場所に立てこもったりせず、しばらくすると持ち場に帰って行きます。その際、特にキョロキョロするでもなくゆっくり歩くだけです。
なので、逃走すれば気付かれる前と同じ状況から暗殺をやり直すことができちゃいます。
鉤縄が優秀な逃走ツール
狼さんの持つ鉤縄は、本来の壁登りロープのようには使いません。いわゆるフックショットやスリンガーアクションのように使います。なので、建物の屋根の上のような高いところでも、一瞬で登ることができちゃいます。
おかげで潜入がバレても簡単に逃走することができちゃいます。
一回までならやられてもOK
狼さんは、転落死じゃなければ、たとえ道中でやられてしまっても、すぐにその場で復活することができます。
失った復活権は、チェックポイントまで戻って休息することで回復します。ただし、休息をすると今まで倒した敵が復活してしまうというリスクがあります。
また、復活権を失った状態でやられると、狼さんはいよいよ死んでしまいます。死ぬと敵が復活するだけでなく、お金とスキルポイントが半分になります。
ここに『SEKIRO』の道中における、行くか戻るかの駆け引きがあります。あるけどあまり効果的ではありません。1回やられたときがわかりやすい撤退ポイントになってしまっているからです。
その結果、本来は残りHPをリスクと照らし合わせてひきぎわを判断するところを、印象的な目安にひっぱられてリスクを取る選択をしにくくなります。
つまり、「1回やられたら戻ってやり直す」選択を取りやすいようになっていて、しかもそう思いながらやるので緊張感がありせん。
カメラにイラッ
『SEKIRO』はカメラにイラッとすることがあります。自分の操作と関係なく敵を見失ってしまうからです。
カメラのせいで敵を見失う理由は2つあります。1つ目は壁際にいくとおかしな動きをすること、2つ目は敵との間に障害物がくるとロックオンが切れることです。
前述の通り、『SEKIRO』は気を抜いたらあっという間にやられてしまうため、敵を見失うことは命取りです。なので、このカメラはいただけません。実際、ボス戦で明らかにカメラのせいで死んだケースが2度ありました。
まとめ
以上のことから、『SEKIRO』は、道中はステルスゲーで物足りないものの、ボス戦の超高難易度と最高の演出で剣豪気分をあじわうことができる3Dアクション死にゲーといえます。
なので超おすすめです。
『SEKIRO』は「本家が『仁王』つくったらこうなりました」と感じる作品です。『仁王』が出ていなかったら『SEKIRO』という神ゲーが生まれなかったかもしれません。『仁王』のときに書いたパクりパクられのよい側面はまさにこれです。
道中はボス戦と違った“緊張と緩和”がある『ダクソ』シリーズのほうが好みなので、そこはちょっと残念。
でも『SEKIRO』には、そんなことはどうでもよくなるくらい、上手く操作できたときの気持ちよさがあります。これはアクションゲームで最も大事なこと。確実に最高峰です。カメラ以外は!
どうか途中で諦めないでください。勝つポイントは3つ、攻防の”防”中心で立ち回ること、敵の攻撃パターンを覚えること、欲張らないことです。苦難を超えた先には愉悦が待っています。
そこには剣豪が立っていることでしょう。
現在、『SEKIRO』と肩を並べるアクションゲームのレビューは他にありません。
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